iPodやiPhone、PSP、各種デジタルオーディオプレーヤー(DAP)等、激安〜高級機のお勧めMP3プレーヤーをレビュー。CD→MP3への変換、耳に優しい音質に変える方法など高度なテクニックも公開。

MP3って何?

音声圧縮技術

実は音声圧縮技術は、MDにも使われています。CDの容量が700MBなのに対して、MDの容量は177MBしかありません。しかし同じ80分間記録することができます。つまり、CDの音声を4分の1に圧縮して録音しているわけですね。

圧縮とは、例えば「あああああ」が5文字なのを「あ×3」と書けば3文字にすることができます。このように100%元の状態に戻せる圧縮を可逆圧縮といいますが、音声データの場合、可逆圧縮では半分程度までしか容量を小さくできません。そこで、音質を犠牲にして容量を少なくする非可逆圧縮が利用されています。MDの場合はSONY独自規格のATRACという形式を採用しており、容量を4分の1まで削っているにも関わらず、なかなかの高音質を維持しています。

そしてパソコン用に今一番使われているのがMP3という圧縮技術です。音楽CDの10分の1、つまり1分間1MBの容量まで圧縮しても、音楽CD相当の音質を実現できるという謳い文句で爆発的に普及しました。実際には10分の1にまで圧縮してしまうと、素人が聴いても劣化していることは分かるのですが、日常生活では何か作業をしながら聴く人が多く、常に音楽に集中しているわけではないし、電車や車の中では走行音などの騒音もあり、また、カセットテープ世代の人からすれば、10分の1に圧縮した音声でも格段に音が良く感じるので、多くの人はMP3に音楽CDほどの音質は求めていないのかもしれません。MP3登場当時はメモリーカードの値段もすごく高かったので、音質を犠牲にしてもたくさんの曲数を入れたいと思っていた人も多かったのです。

そしてMP3よりも音質を保ったまま、さらに容量を少なくする圧縮技術もいくつか開発されています。有名どころでは Microsoftが開発したWMAや、携帯電話の着うたなどで採用されているAACがあります。ただWMAやAACは、再生の処理にMP3よりも大きな力を必要とするので、携帯ポータブルプレーヤーでは電池が長持ちしません。メモリーカードの値段が下がってきて、MP3でも十分な曲数が入れられるようになったので、容量の不満よりもバッテリーの持ち時間を重視する人が多く、今でもMP3をメインで使っている人が多いのです。
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